わたし、終わらないって、思ってたみたい。


絵に色が入って、カラフルになってくると通りを行く人々が足を止めて見てくれるようになってきます。道ゆく人々というのは、たいていどこかに通っている方らしく、毎日、通りかかるような方も少なくありません。

毎日通る道端の絵が少しずつ出来上がっていくのに気づいたら、きっととっても楽しい事だろうな、と思います。

駅前の塾が入ったビルのシャッターを描いている時は、毎回のように中学生がワイワイ眺めてくれて、とっても楽しかったな。絵の具だらけになって汗をダラダラ流しながら必死に作業する、いい大人を目撃した夏が、彼らの何かを変えちゃった、なんてことがあったら、こんなに嬉しいことはないぞと、思ったりします。

で、も


色が入っても、実は終わりではありません!


しろひげ先生のシャッターは細かいリアルな描写の風景画です。

そう完成真近になると細かい輪郭が入ります。この輪郭は先生がマジックで、手早く描いていきます。

この時、先生は光の当たっている方向を計算して描いているんですね。これは先生の作業を間近で見ることによって、気がつきました。(ありがたし!)

そうして、先生が輪郭を入れた絵を見ると、驚き‼️

シャッターの中には実在の人物が結構な人数描かれています。何人も存じ上げている方々がいるのですが、これが……そっくり❗️なんです。


そこに描かれたみんなが、あんまり似ているので、先生の隣で作業しながらも、わたしは、おかしくておかしくて!だって、もうお子さんいる仲良し二人組が女子高生になっていたり、普段真面目なスーツ姿しか見たことなかった方がお相撲さんになっていたりするのです。

そして、みんな笑ってます。シャッターの前に立つと、見ている人も、その世界に入っちゃう!そんな気がして、とっても楽しくなっちゃうんだと思います。

だって動物と人間たちが、一緒に楽しくお店にいる。そんな世界がすぐそこに。

その世界は本当に実在していて、私たちは普段はあちらにはいけないけれど、街に点在する10ヶ所のシャッターからは、あちらの世界が垣間見えちゃう。

でも、シャッターですからね。お店が閉まっている時や、閉店した後にしかその世界は見ることはできないのです。


なんだか、夜暖かいお布団に入って見る幸せな夢のようですね。


ああ確かに、今振り返ると、しろひげ先生と絵師の仲間と駆け抜けた一年3ヶ月は本当に夢だったような気がします。寒かったり暑かったり、重かったり細かかったり、大変なことはたくさんあった気もしますが、なぜだかみんな笑っている。そんな夢。


願わくば、もう一回見たいなあ、なんて、幸せな夢を見て目覚めた時は思いますよね。

いま、本当にそんな気持ちです。

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